
こうるさいワインオタクも知らないワインの逸話
男の野望にはワインと葉巻が良く似合う?99/2/9
■ワインがないといきられない皆さまへ通信初ワシントンDCからのメール■
前回の衝撃的なニュースの「未成年の飲酒は禁じられていますはもう古い!?」について当ワイン通信を読んで下さってるワシントンDCの企業駐在員の読者様より以下のメールが届きました。外から見ると一見不可解な事情が今、合衆国の中枢部から明かされます!!!!
==以下メール==
「健康ワインラベル」の記事、Wall Street Journalにも出てました。
提案されている「ワイン飲酒促進ラベル」にはもう一種類あるそうで、「誇り高きこのワインの作り手は、ワイン飲酒が健康に与える影響についてファミリードクターに相談されることをお勧めします」("The proud people who made this wine encourage you to consult your family doctor about the health effect of wine consumption.")という、ワインを勧めているのか止めろと言ってるのかよくわからない内容になっています。
さて、政治の街ワシントンDCに働く者としては、「なぜ、今、ワインラベルなのか」が気になるところですが、これはずばり、ゴア副大統領の2000年大統領選挙対策であるとの結論に達しました。
今回の決定をしたのは「財務省」の下にある「アルコール・たばこ・火器局、略称ATF=Bureau of Alcohol, Tobacco, and Firearms」という、日本の旧専売公社と大蔵省主税局を合わせたような機関で、その名前からもわかるように、みんなが「いくら税金を納めてもいい、欲しいものは欲しい」という商品に関して生殺与奪の権を握っている政府機関です。
ご存知かどうか、アメリカではたばこ産業は今存亡の危機に立たされています。クリントン大統領のイニシアチブで「たばこ増税」「反たばこキャンペーン」が繰り広げられているせいですが、(これはこれで面白い話なのですが、それはまた別の機会にして)、同じATFで扱われている酒類が同じように「反健康商品」とされてはたまらない、という危機感を持ったワイン業界が「ワイン=健康食品」のイメージを使って強力にロビイング活動してきたというわけですね。
そのラベル変更を推進してきたのがサンフランシスコにあるWine Instituteという、一見するとワインスクールみたいな名前のロビイング団体。3年越しで陳情してきたみたいですが、これに目をつけたのが、2000年大統領選挙を目指すゴア副大統領。大統領選挙に勝つには、テキサスやカリフォルニアなどの大票田を制する必要があり、(クリントンやゴアがシリコンバレーに足繁く通っているのもそのためです)、「おまえ達の要求はかなえてやるが、2000年には、…わかっておろうな」、とゴアが言ったかどうかは知りませんが、結果として、ワイン業界の念願かなって今回の決定につながった、というストーリーです。
この話をさらに面白くしているのが、サーモンド上院議員。同じATF扱いでも、タバコとワインは片や「反健康商品」、片や「健康促進食品」となったわけです。今回の決定に対して、サーモンド上院議員は「国民の健康を守る立場」から反対しているわけですが、実はサーモンド上院議員の選挙区はサウスカロライナ州、つまりたばこ産業のお膝元なんですね(全米第3位のたばこ生産量)。まさに「江戸の仇を京で討つ」図式です。
ワインに政治は似合わない、とは思いますが、ヨーロッパとアメリカの間でワインの名称を巡る闘いが繰り広げられているのも事実ですし、今回の決定は、アメリカ,特にカリフォルニアのワイン産業も政治力を持つ産業としてようやく認知されたことを示しているようです。
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●提案されている変更点(ラベル表示)は「ワイン飲酒が健康に与える影響について知りたい方は、連邦政府の食生活ガイドラインを参照して下さい。連絡先はこちら…」という、味も素っ気も無いもので、本当に知りたい人が、その連邦ガイドライン(USATODAYではなくて、 USDA=U.S. Dept. of Agriculture=農務省)にコンタクトすると、そこで初めて「1日につき適 量のワインは、うんぬん」というガイドラインがわかる、という仕組みです。ちなみにガイドラインには、「女性は1日1杯まで、男性は2杯までが適量。1杯とは5オンスのこと…」という説明が書かれているわけです。
==メール終わり==
かなり「裏読み」いや、正確読み!バックラベル論、政治・選挙が絡んでいたのですね!!!!!クリントンがカリフォルニアに足繁く通うのは「ヒラリーとの離婚後の生活基盤をつくりにだ・・」とかいう記事をかたくなに信じておりましたが・・・私なんか「わからないことは、みのもんたに聞いてみよう」ではなく、今度からは読者様に聞いてみよう!本当に賢くなりました。ありがとうございました。ちなみに、私がナパで入手した情報によるとこの反対派のおじいちゃん議員さんは娘さんを飲酒運転で亡くしたそうです。そりゃ、おじいちゃんとしては、許せないよな。。。
しかし、もーう、大統領ったら葉巻がお好きと聞いていたのに、本当はワインもお好きだったのね。今度は小瓶でかしら?それとも?とこっちのほうでも裏読みしてしまった私でした・・・・(^.^;)(^.^;)(^.^;)・・・では・・・いってみるしかない!?アメリカのワインリスト